【解説】脊柱管狭窄症で手術・薬物療法の選択を避ける!|理学療法士が一人ひとり異なる脊柱管狭窄症の改善法を指南

「最近、よくつまずくようになった」
「腰やお尻、足にかけて痛みやしびれがある」
「夜寝ているときも、痛みやしびれで目が覚める」
「歩いていると、足がしびれてきて歩けなくなる」
「長時間立っていると、痛みやしびれが強くなる」
このような症状は、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)が疑われます。
脊柱管狭窄症が進行した患者様は、とっても深刻な状態になります。
「杖なしでは歩けなくなった」
「家族に迷惑をかけているのが辛い」
「誰にも相談できず、孤独を感じている」
「足の感覚がなくなり、歩くのが怖い」
「痛み止めや注射も効かなくなってきた」
「このまま寝たきりになってしまうのではないか」
「日に日に痛みが強くなり、日常生活がままならない」
治療が遅れると、手術を勧められるようになります。
でも、手術はしたくないとお考えの方も多くいらっしゃいます。
私たち『整体院つなぐ』にお越しになった脊柱管狭窄症でお悩みの患者様の訴えです。
「手術せずに良くなりたい」
「腰部脊柱管狭窄症と言われて不安です」
「よくつまずくようになって、どうしたらいいか不安」
「整形外科に行ったら、手術するしかないと言われたけど、怖いし手術はしたくない」
脊柱管狭窄症は、腰痛や足のしびれ、歩行障害などを引き起こす疾患です。
症状が進行すると、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、精神的な負担も大きくなります。
このような症状が気になれば、早めに専門家にご相談ください。
目次
1.脊柱管狭窄症の患者様の精神的負担

脊柱管狭窄症の症状が長引くと、患者様はさまざまな精神的な負担を抱えることになります。
(1)不安と恐怖
症状が悪化することへの不安や、将来寝たきりになるのではないかという恐怖を感じます。
(2)絶望感
さまざまな治療を試しても改善が見られないことや、症状が長引くことへの絶望感を感じます。
(3)孤独感
周囲に理解してもらえないことや、誰にも相談できないことから、孤独を感じます。
(4)抑うつ
痛みや不安から、気分が落ち込み、抑うつ状態になることがあります。
(5)焦燥感
早く治りたいという気持ちが焦りとなり、過剰な治療を求めてしまうことがあります。
2.脊柱管狭窄症とは

脊柱管は、背骨の中にある神経の通り道です。
脊柱管狭窄症は、この脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることで、腰痛や足のしびれ、歩行障害などの症状が現れる疾患です。
(1)脊柱管狭窄症の原因
脊柱管狭窄症の主な原因は、加齢による脊椎の変形です。
椎間板の変性
椎骨と椎骨の間にある椎間板が加齢とともに変性し、膨らんだり、飛び出したりして脊柱管を狭窄します。
骨棘の形成
椎骨の棘突起や椎間関節が加齢とともに肥大化し、骨棘(こつきょく)と呼ばれるトゲ状のものができて脊柱管を狭窄します。
黄色靭帯の肥厚
脊柱管の後ろ側にある黄色靭帯が加齢とともに肥厚し、脊柱管を狭窄します。
(2)脊柱管狭窄症の症状
脊柱管狭窄症の主な症状は、以下の通りです。
腰痛
腰部の鈍い痛みや、重たい感じがあります。
下肢のしびれ
お尻から足にかけて、しびれや痛みが生じます。
間欠性跛行(かんけつせいはこう)
歩行中に足の痛みやしびれが強くなり、休憩すると楽になることを繰り返します。
排尿・排便障害
重症の場合、排尿や排便に障害が現れることがあります。
3.脊柱管狭窄症|西洋医学と運動学の連携

脊柱管狭窄症は、西洋医学的なアプローチと運動学に基づいた理学療法士によるアプローチを組み合わせることで、より効果的な改善が期待できます。
それぞれの専門家が連携し、患者様の状態に合わせた最適な治療や施術を提供することが重要です。
(1)西洋医学的治療|医師の役割
体に痛みを感じた場合、まずは整形外科医に相談するのが一般的でしょう。
医師が行う治療の流れは次の通りです。
診断
病院では、問診、神経学的検査、画像検査(レントゲン、MRI、CT)などを行い、脊柱管狭窄症の診断を確定します。
脊柱管の狭窄の程度や、神経の圧迫状態などを詳しく評価します。
薬物療法
治療法として多く用いられるのは、薬物療法です。
消炎鎮痛剤、神経障害性疼痛治療薬などの痛み止めや、血行改善薬、筋弛緩薬などが処方されます。
また、神経の痛みを和らげるために、局所麻酔やステロイドなどの神経ブロック注射をします。
手術
薬物療法で症状が改善しない場合や、神経症状が進行している場合は、手術を検討します。
手術法には、除圧術(狭窄した部分を切除する)や固定術(脊椎を固定する)などがあります。
(2)脊柱管狭窄症で手術や薬物治療を避けたい方へ
脊柱管狭窄症の治療は、症状の程度や原因によって異なりますが、手術や薬物治療以外にも、さまざまな選択肢があります。
ここでは、手術や薬物治療を避けたい方に向けて、運動学に基づいた理学療法士が行う施術について解説します。
脊柱管狭窄症の保存療法
保存療法とは、手術や薬物治療を行わずに、症状の改善を目指すアプローチです。
① 運動療法
筋肉を鍛えたり、関節の動きを改善したりする運動を行います。
② 物理療法
温熱療法や電気療法などを行い、痛みや炎症を和らげます。
③ 装具療法
腰部を固定する装具を装着し、負担を軽減します。
理学療法士による運動療法
理学療法士は、運動学や解剖学の専門家であり、患者様一人ひとりの状態に合わせて、適切な運動療法を提案してくれます。
① ストレッチ
筋肉の柔軟性を高め、関節の可動域を広げます。
② 筋力トレーニング
腰部や腹部の筋肉を鍛え、脊椎を安定させます。
③ 姿勢矯正
正しい姿勢を身につけ、腰への負担を軽減します。
④ 歩行訓練
正しい歩き方を練習し、間欠性跛行を改善します。
(3)日常生活で気をつけること
正しい姿勢を保つ
猫背にならないように、背筋を伸ばして座るようにしましょう。
また、長時間同じ姿勢でいないように、こまめに休憩をとることも大切です。
適度な運動をする
ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で運動を続けましょう。
ただし、腰に負担がかかるような激しい運動は避けてください。
体重管理をする
肥満は腰に負担をかけるため、適切な体重管理を心がけましょう。
重いものを持ち上げない
重いものを持ち上げる際は、腰に負担がかからないように注意しましょう。
(4)脊柱管狭窄症の改善のために理学療法士ができること
脊柱管狭窄症の治療法は、患者様の状態によって異なります。
まずは、整形外科医や理学療法士などの専門家に相談し、適切な治療法を選択することが大切です。
私たち『整体院つなぐ』の理学療法士は、運動学や解剖学の専門知識を活かし、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、適切な運動療法を提案します。
脊柱管狭窄症の原因を特定し、根本的な改善を目指すことで、患者さんの生活の質を高めることができます。
4.手術を勧められた脊柱管狭窄症を理学療法士が改善した事例

『整体院つなぐ』へお越しになり、脊柱管狭窄症が改善した患者様の事例をご紹介します。
患者様:高橋さん(仮名)70代女性
70歳を迎えたばかりの高橋さんは、長年腰痛に悩まされていました。
若い頃から畑仕事をしていて、腰に負担をかけてきたのが原因でした。
来院動機
来院されたときは、足のしびれと間欠性跛行が現れ、日常生活にも支障をきたすようになっていました。
整形外科を受診したところ、「脊柱管狭窄症」と診断されました。
医師からは「手術をすれば良くなる」と言われましたが、高橋さんは手術への不安が拭えませんでした。
『整体院つなぐ』との出会い
そんなとき、高橋さんはインターネットで当院を見つけて来院されました。
高橋さんの話を丁寧に聞き、身体の状態を詳しく評価しました。
高橋さんの腰痛や足のしびれの原因は、脊柱管の狭窄だけでなく、姿勢の悪さや筋力低下にもあると考えました。
そこで、手術以外の治療法として、理学療法を提案しました。
二人三脚でのリハビリ
高橋さんの個別の運動療法プログラムを作成しました。
まずは、腰部や股関節の柔軟性を高めるストレッチから始めました。
次に、体幹の筋肉を鍛える筋力トレーニングを行いました。
さらに、正しい姿勢を身につけるための指導や、正しい歩き方を練習する歩行訓練も行いました。
高橋さんは、毎日コツコツとリハビリを続けました。
最初は慣れない運動に戸惑いましたが、家族の励ましもあり、諦めずに頑張りました。
改善|喜びと感謝
数週間後、高橋さんは腰痛や足のしびれが軽減していることに気づきました。
間欠性跛行の距離も伸び、以前よりも楽に歩けるようになりました。
数カ月後には、腰痛や足のしびれがほとんどなくなり、間欠性跛行もなくなりました。
高橋さんは、以前のように畑仕事や家事をこなせるようになり、再び自由な生活を送れるようになりました。
5.理学療法の可能性

先の事例は、脊柱管狭窄症の改善において、理学療法が大きな役割を果たすことを示しています。
手術を勧められたとしても、諦めずに理学療法を試してみる価値はあるかもしれません。
脊柱管狭窄症の治療は、手術だけが選択肢ではありません。
理学療法では、患者様の状態に合わせて適切な運動療法を提案します。
根気強くリハビリを続けることで、症状を改善できる可能性があるのです。
一人ひとり、脊柱管狭窄症の症状や状態は異なります。
必ず専門家に相談し、ご自身に合った改善を目指しましょう。